クラシック音楽レビュー

フェドセーエフが快刀乱麻を断つハチャトゥリアンの「レズギンカ」 2003年録音

フェドセーエフ

今年のフェドセーエフのN響への客演もキャンセルとのことで残念です。まだ元気な姿をされていた10年前の2015年冬、フェドセーエフは単身来日しNHK交響楽団の定期を振りました。そこでハチャトゥリアンのバレエ音楽「ガイーヌ」抜粋を演奏しました。その中のレズギンカ…今のN響をもってしても、あの伝説的なモスクワ放送soのアンコールの時とは、音圧がかなり違うし、勢い・ノリは再現出来なかった。フェドセーエフも晩年のスヴェトラーノフのようにちょっと腰が据わってしまったような気がしました。
フェドセーエフ
1991年にモスクワ放送響とフェドセーエフが来日した際にアンコールで演奏され、未だに語り草になっているハチャトゥリアンの「レズギンカ」。打楽器炸裂、ロシアのオーケストラの圧倒的な迫力をまざまざと見せつけられた演奏です。バレエ音楽「ガイーヌ」の名前自体は知られていますが、それは「剣の舞」だけで知られているだけ。でもこの舞曲「レズギンカ」の方が曲としても優れているし、なにせ短く圧倒的な迫力。それなりの演奏でも聴くと必ず血沸き肉躍る、興奮するのは「剣の舞」の比ではありません。

フェドセーエフ レズギンカ
ハチャトゥリアン バレエ音楽「ガイーヌ」からレズギンカ
指揮:ウラジーミル・フェドセーエフ
チャイコフスキー記念交響楽団(旧名 モスクワ放送交響楽団)
2003年 ライブ録音

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因みに有名な剣の舞。誰でも聴いたことはあるはずです。小澤さんで。


で、レズギンカはこんな曲。両曲とも作曲者ハチャトゥリアンの自作自演。

ちょっと録音も古めかしく迫力不足。これが普通の演奏でスタンダード。これでも愉しい演奏だと思います。私は作曲者自作自演、しかもウィーンpoとの録音、そしてDECCAなので録音もさぞかしと思って買いました。そもそも、「ガイーヌ」全曲の録音自体が少ない。

2015年フェドセーエフとNHK交響楽団演奏会の放送後、時間あまりに35年前の来日時の下記超絶名演が再放送されました。当時中学生の私は、メインプログラムの印象はさっぱり覚えていませんでしたが、「なんだこの曲!この演奏!」とビデオが擦り切れるまで繰り返し見たのを覚えています。やはり一部のファンには記憶に強く残っているらしく、youtubeでも人気ですし、再放送もされるわけです。


全然違います。早い、小太鼓暴れる。ムラヴィンスキーの「ルスランとリュドミラ」序曲に匹敵する小曲の壮絶な演奏。

それから執念深くフェドセーエフがこの曲を録音するのを待っていたら・・・2000年に入ってから見つけすぐに入手。「ガイーヌ」全曲買わなくても済む!剣の舞も入っている。浅田真央選手がフィギュアのプログラムで使った「仮面舞踏会」のワルツも入っている。レズギンカだけでもお釣りは来る。ヴァイオリン協奏曲、ガイーヌ抜粋全て優れた録音で優れた演奏。如何にもロシアといった感じでちょっとうるさいですが、ハチャトゥリアンの曲ならこれ位で丁度いい。ただロシアのマイナーレーベルでの発売のため、現在では入手難。

上記の演奏を凄いいい録音で聴ける。年齢のせいか少しだけテンポは落ちていますが、相変わらずスネアドラムの音の凄さと言ったら。タンタ・タララッ・タンタ・タララッ・・・・・・バチンバチンとスピーカーがはじき飛びそうな音。ちょっと大きな音量で鳴らすと近所迷惑。ハチャトゥリアン生誕100年の記念演奏会だったようで、オーケストラ名はチャイコフスキー記念交響楽団となっていますが、モスクワ放送交響楽団の正式名称です。


録音も非常に優秀でスピーカーから強烈な打楽器の打撃音が飛んできます。分厚い弦楽器のアンサンブルも特筆もの。愉しいクラシックを満喫できるCDで、これは中古も見つけたら即入手すべきCDです。クラシックって面白くないと思っている人に聴いて欲しい。

※当ページはシーサーブログ「クラシック 名曲・名盤求めて三千枚」からの引っ越しページです。徐々にこちらに軸足を変えていく予定です。 旧ページ:クラシック音楽 名曲・名盤CD求めて三千枚

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