私の大学生時代である90年代のJ-POPは、まさに小室哲哉とB’sやZARDを代表とするビーイング系一色でした。ミリオンセラーは当たり前と、飛ぶようにCDが売れていたいい時代でした。今でもビーイング系のCDはよく聴きます。ZARD・T-BOLAN、FIELD OF VEIWそして宇徳敬子、アルバムがしっかり作られていて本当にいい。青春時代の音楽は何度聴いても飽きないものです。不思議と小室ファミリーの音楽には手が伸びませんが。
デビュー当時からのお気に入りのアーティストはDEEN。池森さんの鼻にかかったようでよく伸びる歌声が好きです。ビーイング系の湯水のように現れては消えるバンドが多い中、活動休止もせず現在に至るまで活動しているバンドは少ない。B’sとDEEN位ではないかと思います。(WANDSはちょっと違います)DEENは「このまま君だけを奪い去りたい」で鮮烈にデビュー、その後も安定してヒット曲を飛ばして長く活躍。ボーカルの池森さんはそばオタクとしても有名です。
最初は4人体制でスタートしてましたが、現在はボーカルの池森さんとキーボードの山根さんの二人体制。もともとバリバリのロックというバンドではなく、かなりPOP寄りの爽やか路線でぶれないのが人気で、お客様の層もお行儀が良い方が多いといわれています。長きに渡り池森さんの声の調子が良くなく、かなりキーを下げて人気曲を演奏していましたが、2023年代に入って声が復活、デビュー30周年アルバム「DEEN The Best DX」では原キーで歌って健在を示しました。若いころに比べて表現力も増して、オリジナルを超える歌声に驚かされました。
オリジナルアルバムも発表しながらカバーアルバムも制作しています。カバーアルバムを作り出すと、創作力が無くなったから既存の人気曲でお茶を濁すような印象がありますが、DEENの場合はどこか違う風情があります。自分たちがリスペクトしている音楽を自分たちの音にしてカバー、だからどんなハードな曲や暗い曲でもどこかDEENの爽やかさが感じられて別の魅力を感じます。そんな中の1枚が最近発売された「ROCK IN CITY」です。

DEEN 「ROCK IN CITY」
01. MARIONETTE (原曲 BOØWY)
02. フレンズ (原曲 REBECCA)
03. GLORIA (原曲 ZIGGY)
04. 悲しみにさよなら (原曲 安全地帯)
05. ミス・ブランニュー・デイ (原曲 サザンオールスターズ)
06. BE MY BABY (原曲 COMPLEX)
07. 星空のディスタンス (原曲 THE ALFEE)
08. ENDLESS RAIN (原曲 X JAPAN)
09. 青空 (原曲 THE BLUE HEARTS)
10. DEAR FRIENDS (原曲 PERSONZ)
AMAZON → DEEN 「ROCK IN CITY」
カバーアルバムは難しいもので、オリジナルに寄せて作りすぎるとそのまま過ぎて面白くない、と言ってアレンジしすぎるとオリジナルのほうが良かったとなるもの。DEENのカバーは、オリジナルの良さを残しつつサウンドはDEEN流に、ボーカルの池森秀一の良さとオリジナルへのリスペクトを共存させています。選曲もうまい。BOOWY・X・桑田佳祐からPARSONSまで。
普通熱狂的なファンが多いBOOWYの「MARIONETTE」、オリジナルを聴きこんだ私たち世代にもすっと受け入れられる。まるで長年の持ち歌みたいに清々しく歌いきっています。「MARIONETTE」がこうも爽やかに響くものなのかと新鮮。安全地帯やサザン楽曲は悪かろうはずがない。
REBECCAの「FRIENDS」、ZIGGY「GLORIA」など中学生・高校生時代の甘い思い出が蘇ってくる選曲。DEENサウンドとしては激しい音作りではあるものの、不思議とくどくならないし、池森さんも自分の歌い方を基本的には変えておらず、世界観は間違いなくDEENの音。でもオリジナルもしっかりと感じさせてくれる。「BE MY BABY」なんて吉川晃司以外で歌い方では駄目だろうと思わせる曲でもしっくりくる。ギターの音を布袋風味で残してくれているのもいい。
Xの「ENDLES RAIN」はキーボードの山根さんが歌ってます。ローリングストーンズのアルバム買って、キースの歌う曲になると・・・なんてことはなく、滅茶苦茶うまい。それこそTHE ALFEEみたいに交代制でもっと歌うべきでは?と思わせる澄んだハイトーンボイス。元々TOSHIに声色が似ていることもありしっとり聴き惚れる。
最後はちょっと渋めのPARSONS「DEAR FRIENDS」で締め。これが心憎い選曲。イカ天世代のアラフィフ世代を刺激する選曲。この曲と3曲目のZIGGYがアクセントで一般的な有名曲を並べただけにならず、80年代に音楽を聴きこんだ人・バンドブーム世代の人の耳と脳の片隅をくすぐるように。
全体的に
・ギターのリフやベースラインはそのまま生かす
・効果的なブラスセクション追加(これが安っぽくない)
・歌い方は似せるが池森さんは池森さんのまま
・テンポは原曲のままにし、下手に歌いこまない
ということを大事にしていて、原曲を聴きこんだ人のイメージを損ねないように、ただ現代的な音作りも盛り込みながらDEENサウンドで蘇らせるという高度なことを見事にやってのけた優れたアルバムです。曲によって出来の良し悪しもなく、最後まで聴くともう一度最初から聴きたくなる。
私にとっては大学時代に好きだったDEENで、より甘酸っぱい時代の80年代楽曲を聴けるというこの上ない企画アルバム。過去のPOPカバーなどに比べてもよくできていると思います。最近はCDを買う機会も少なくなってきましたが、これは久しぶりに購入し楽しめた1枚でした。お勧めは最近のライブBlu-rayとのセットになっている盤です。
ちなみに池森さんが「マツコの知らない世界」で話していた、長年昼飯として食べ続けたそばは下記のそばです。

AMAZON → 小諸七兵衛そば
※当ページはシーサーブログ「クラシック 名曲・名盤求めて三千枚」からの引っ越しページです。徐々にこちらに軸足を変えていく予定です。 旧ページ:クラシック音楽 名曲・名盤CD求めて三千枚
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