長期休暇、特段することもなく家の片付けもすると手持無沙汰。久しぶりにレコードでも聴こうとアナログプレーヤーの蓋を開ける。
2年前にアナログプレーヤーを年代物のMICRO精機製のものからTEAC TN-3Bに買い替えをしました。MICROのものは音は良かったものの、モーターが良くないのか回転が安定せず相手をしていると精神的に疲れてくる。ということでAMAZONで物色。TEACのTN-3Bは廉価で見た目もかっこよく入替となりました。
買い替えたときはノイズも少なく、音の勢いに驚きました。が、久しぶりにじっくりとレコードを聴いてみると明らかにピッチが高い。CDで聴きなれた音源を聴き比べるとはっきりわかる。元気で勢いがいいと思っていたのは、回転数が早くてピッチがちょっと高いからか・・・・どうやって回転数を合わせるか。まずは現状の回転数を調べる必要があります。最近のレコードプレーヤーにはストロボスコープがついているものが少ない。AMAZONでその代替になるものを探そうとしましたが、ネットで調べるとスマホのアプリで計測ができるとのこと。便利な時代です。便利すぎてちょっと物足りなくもある。
RPM Speed & Wow → 「RPM Speed & Wow」 – Androidアプリ | APPLION
スマホにダウンロードして、中心付近においてターンテーブルを回転させるのみ。回転数だけでなくワウフラッター(回転数のブレ)も計測できる。スタビライザーの上に水平に載せるのがベストだと思います。早速計測してみると、33 1/3回転(33.33)のはずが、34.33!1分間で約1回転早い。たった1回転でも計算すると
34.33 ÷ 33.33 ≒ 1.03 と約3%早い。
時報の音 A4(ラ)の音が440khzをこのプレーヤーで鳴らすと、440×1.03=453.2khzになります。ピッチが高いと言われるベルリンpoでもA#4=447khzと言われているのでそれよりも高い。ちなみに通常A#4=466.164khzで考えれば、1/2半音高くなっていると言えます。これはよろしくない。
しかしTN-3Bには回転数調整ねじはありません。メーカー・機種によっては底部に調整するねじがあるようですがそれも見当たらない。「アナログプレーヤー TEAC 回転数調整」と調べる。すぐに調整方法にヒット。底部の蓋を開けて基盤についている回転調整ねじ?を回すだけとのこと。反時計回りに回せば遅くなり、時計回りに回せば早くなる。非常にシビアなのでほんの少し回しながら調整。では早速。
②ベルトドライブのベルトを外す
③ターンテーブルをはずしておく
そのうえでプレーヤーをひっくり返します。ひっくり返したら後部方向の黒色のパネルを外すためドライバーでねじを外します。後部インシュレーター2個も外す必要があります。上が前、下が後部。外すと右のようにむき出しになります。
後部に小さな基盤があります。その基板上に45回転用と33回転用の回転数調整ねじがありました。プラスドライバーで回すように見えますが、小さなマイナスドライバーの方が回しやすいです。今どきEP(45回転)は使用しませんので、右の33回点のみ調整。回転を遅くするため反時計回りにほんの少し回してみます。1回調整して回転させてみると、33.5となりました。再度ひっくり返してほんの気持ち分回します。
手間ですが、再度ターンテーブルをセットしてベルトを巻きます。
ぴったり33.33。よさそうです。また外して裏返し。カバーを元通りに戻します。こんな作業をしているうちに、微妙な揺れが基盤に伝わり調整にずれが生じる可能性があるため慎重に作業します。再度ターンテーブルとベルトを戻し、アームの調整を行います。では実際にレコードを載せて最後の確認を行います。
ばっちりです。当たり前ながらスピード感とあり過ぎたメリハリ感は後退し、アナログ的な膨らみと重厚さが出てきました。ピッチに違和感が無くなったのと各種疑念が払拭され精神衛生上にもよくなり、気持ちよくレコードを再生することができます。これでTN-3Bの真の実力が図れるというもの。メーカーでテスト・調整されて出荷されているものの、輸送中の揺れなどによりやはりずれてしまうようです。アナログ機器は本当に手がかかりますが、その分愛着と音を出した時の感動はデジタルでは味わえないものです。棚のレコードの聴き比べがまた楽しくなります。
※当ページはシーサーブログ「クラシック 名曲・名盤求めて三千枚」からの引っ越しページです。徐々にこちらに軸足を変えていく予定です。 旧ページ:クラシック音楽 名曲・名盤CD求めて三千枚
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